生鮮三品といわれるお肉や野菜、お魚といったものにはその店毎で別のバーコードが付けられます。これらの商品は一つ一つ重さが違いますから、計量秤に100グラムいくらと入力し、ひとつひとつ秤に乗せると、その品名とその重さにあった値段を表したバーコードがプリントされ、これをその一つ一つに貼り付けます。
インストア・マーキングとは、店の中で、或いは特定の流通ルートの中だけで通用するバーコードを付けられるバーコードのことをいいます。
このように一つ一つ値段の違うものや、刺身や寿司、惣菜などそのお店で作ったものなどは、値段まで入ったバーコードを付けます。これらはその値段をコンピュータに問い合わせませんから、『NON−PLU』商品といいます。
これらのNON−PLU商品の売れ方の動向もコンピュータに全て記憶されますから、このデータを分析して、例えば刺身が乾いてしまわぬためには何分ごとに補充するとか、寿司は何時から何分ごとに陳列に出すのがよいとか、売り方の工夫が出来るのです。
●バーコードの仕入れ戦略・販売戦略への活用
商品を陳列する棚によってよく売れるとか、また何と並べればどちらもよく売れるとか、レジでバーコードを読み取るだけでコンピュータに入ったデータを分析するといろいろな売り方の工夫が出来ます。
このように、商品に付けたバーコードが商品の仕入れ戦略から販売戦略まで、また売上管理から仕入れ管理まで全ての面で活躍しているのです。
■販売戦略・生産計画に役立つJICFS
このようにして各小売店がバーコードを読み取るだけで日々に集められた販売のデータは、商品のバーコードの元締めとも言える流通コードセンターに集められてJICFSというサービスになり、各メーカーや小売店に還元されます。
このJICFSを利用すれば、小売店にとっては全国の、またはその地域の売れ筋、死に筋の商品が一目で分かり、仕入れ商品を選択するのに大きく役立ちます。
またメーカーでは、自社の商品がどのくらい売れているか、また同種類の商品の何パーセントを占めているかということなどが分かって、新商品の開発の参考になり、成績が悪いときはその対策を考えることが出来ます。
※下記の Data Service
のホームページにリンクしてみて下さい。これはごく一部のデータですが、日々の商品の売り上げデータを知ることができます。バーコードはこのように役立てられているのです。
http://www.mdbc.co.jp/dc_menu2.cfm?mcd=&pw=
■物流段階で活躍するバーコード
メーカーから出荷された商品は通常段ボールケースに詰められて、商社や卸店の物流倉庫→大型小売店などの物流センター→各店舗へと流れて行きます。
この間に、この段ボールケースに印刷されたバーコード(標準物流シンボル=ITF)が読み取られて流れて行きます。
(1) メーカーでは注文が入ると注文があった番号の商品をおいてあるところからそのバーコードのついた商品を取り出して出荷します。この際自動的に売上、請求の処理もされます。
(2) 配送するドライバーは積み込まれた商品のバーコードを読み取り、指示されたところ(倉庫など)に商品を配送し、これを荷下ろしするときにバーコードを読み取って倉庫などにバトンタッチします。
(3) 物流倉庫や物流センターなどでは、コンベアーなどを使ってこの商品をきめられた場所に保管して、小売店舗などからの注文があればその商品をピッキングして発送します。
(1)・(2)・(3)の各段階では、手書きの伝票などを発行しなくても、バーコードを読み取ったコンピュータが入・出庫管理から在庫管理まで自動的に処理が行いますから、それぞれのドライバーや倉庫の係員も面倒な伝票処理から開放され、また商品や商品の配達先などの間違いも防止できます。
■製造工場でも活躍するバーコード
商品を製造する工場でもバーコードが活躍しています。
先の標準物流シンボルの他に、商品の品番、型番、色番などを表示したバーコードを付けておけば、原材料から製品までの段階で、在庫管理、入出荷管理はもとより、生産管理、原材料の仕入れ管理などにも役立てることが出来ます。
以上は商品に付いている誰でもおなじみのバーコードについて簡単に説明しましたが、商品についているバーコード以外のバーコードが、誰でも知っているところで、思わぬ大活躍をしている例をご紹介しましょう。
■預金通帳を開いてみて下さい
銀行の通帳は誰でも一冊は持っているはずです。銀行の機械でお金を引き出すときに間違ったページを開いて入れると、『正しいページを開いて下さい』と無礼にも突き返されます。(銀行員がしなければならない仕事をお客にさせて突き返す、というのは無礼ですね)
この間違ったページを見分けるのが、通帳のページの普通左上に印刷されたバーコードなのです。お気づきでしたか?
■見えないけれども大活躍しているバーコード