(UPC)

★複雑な UPC コード

 UPC はその先駆者的な成立の過程から やむを得ぬこととはいえ、EANコードに比べて 非常に複雑な構成になっている。

● 4つある管理機構

 我国の JAN の場合は コードの管理機構が通商産業省の外部機関 (財)流通システム開発センター・流通コードセンター に一元化されているのに比べ、 UPC のコードは NS(ナンバーシステム = 最初の一桁) によって次の3つの管理機構が管理し、これにクーポンが加わる。

  1. NS = 0,6,7
      UPCC (Universal Product Code Concil = UPC 評議会)

  2. NS = 3 (ラベラコードの1桁目が 0 〜 7)
      NDC (National Drug Code = 薬品コード)

  3. NS = 3 (ラベラコードの1桁目が 8, 9)
      HRI (Health Related Item Code = 健康関連商品コード)

  4. NS = 5
      クーポン (新聞、チラシなどに付けられる割引・引換券など)

 ※このページでは NS0, 6, 7 についてのみ解説する。

● 複雑なバージョン

 UPCシンボルの体系で いろいろな内容を盛り込もうとしたところから、 いろんな桁数のいろんなバージョンが生まれた。

  1. Aバージョン
       一般に使われる12桁のもの。

  2. アドオンバージョン
       Aバージョンに2または5桁の補足コードを付けたもの。

  3. Eバージョン
       Aバージョンを縮めた8桁のもの。

  4. Dバージョン
       いろいろなバージョンを組み合わせた 14 〜 32 桁のもの。

 ※このページでは 1, 2, 3 についてのみ解説する。

★UPC-A バージョン

※シンボルの概要は EAN 参照

■ コードの構成

(#35)

★UPC-E バージョン

(#37)

 Eバージョンが使用されるのは次の3つの場合がある。

★UPC-アドオンバージョン

(#39)

 AバージョンまたはEバージョンの後ろに2桁または5桁の補足コードを付けたもの。
 補足コードは商品の定価や、雑誌の発行月などを表すのに用いられる。

★UPC-D バージョン

 CODE-39 など、大きなデータを入れるバーコードが実用化され、 Dバージョンは殆ど使用されていないので、解説は省略して例だけを示す。

[UPC-D1]

[UPC-D2]

[UPC-D3]

[UPC-D4]

[UPC-D5]

《編者の感想》

 拙著 『バーコードはやわかり』 の編集をしていて、この UPC 程苦労させられたものはない。とにかくややこしい。
 しかし、ややこしいEバージョンにしてもDバージョンにしても、 バーコードが初めて実用化された時代だから、 いろんな業界が、いろんな方法で、これしかなかった UPC シンボルを どのようにして便利に使おうかという、創生期の苦労が滲み出ている。
 桁数が異なるから、アメリカで EAN が使えない、と単純に恨んだり、掌を当てたようなツギハギのコード体系だ と侮っては、創始者の苦労に報えない。
2005年を目処に UPC と EAN の互換性を図る作業が進められているというが、 この UPC をもう一度研究してみることで、 バーコードの原点、 理念を探れるのではないだろうか。

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